印紙税法の改正について

印紙税法の改正について


概要

政府は2019年11月26日付で、連邦税法32条の印紙税にかかる過怠税について改正の通達を発表した。改正通達の内容と通達後の運用について概説する。

政府は、2019年11月26日付で、連邦税法32条の印紙税にかかる過怠税について、改正の通達を発表した。これまで、印紙税については、申告期限を過ぎると10倍という多額の過怠税がかかっていたが、この改正により過怠税は3倍となった。この水準は、日本と同等となる。

【印紙税改正通達意訳】

ミャンマー改正印紙税法
2019年、ミャンマー連邦税法32条
2019年11月26日

ミャンマーの連邦議会は、下記法律を制定する。
1.この法律を改正印紙税法と呼ぶ。

2.ミャンマー印紙税法35条(a)を下記のとおりに変更した。
35条(a)印紙税額が不足している場合は、500kyatsの罰金を科する。不足している印紙税額の3倍の金額が500kyatsを超える場合には、不足額の3倍に相当する金額(を科する)
~以下省略~

4.ミャンマー印紙税法に記載してある‘Kyat’に代えて、‘kyats’と記載すること。

【通達後の運用について】

印紙税法の条文は大変膨大で、会社の定款や、設立契約、株式譲渡契約、賃貸借契約、消費貸借契約、サービス契約など、さまざまな文書に関連する。実際の運用においては、現在、タックスクリアランスなどで指摘が多い事項は、土地や建物の賃貸借契約、金銭消費貸借契約、定期的なサービス等の提供契約、動産などの売買契約などである。

ミャンマーにおける印紙税の申告納付は、日本のように印紙を印紙販売所等で購入して事後的に添付すればよいといったものではなく、契約前もしくは、契約後1カ月以内に、タウンシップ等の税務署に契約書を持ち込んで行うこととされている。つまり、正しい印紙税額の納付のみならず、納付期限の厳守が求められる。最近の運用では、契約日前に印紙税の支払いを行うように指導される場面が散見されており、契約書が完成したら、なるべく契約日前にタウンシップの税務署に行って、印紙税を支払うことをおすすめする。

契約文書が日本語などの場合は、翻訳文書を求められる場面もある。なるべく余裕を持って納税手続きを行いたい。